学術講演会における「確認問題」

京都消化器医会定例学術講演会  とき:2月12日(土)  ところ:WEB配信

「効率の良い上部消化管スクリーニング検査ーリスクに応じて考えるー」
とくしま未来健康づくり機構徳島県総合健診センター 青木 利佳 氏

設問1 次の設問から誤っているものを選べ。
  ① 胃内視鏡検診では胃がんを発見できれば問題ない。
  ② 胃がんのリスク要因は Helicobacter Pylori 感染である。
  ③ 萎縮が高度になれば胃がん発症リスクが増える。
  ④ 胃がんの内視鏡治療後の受診者は,胃がんリスクが高い。

解答1 ①

設問2 次の設問から誤っているものを選べ。
  ① 食道がんのリスクはフラッシャーの大酒家である。
  ② 食道がんのリスクとして喫煙は関係ない。
  ③ 食道がんは中高年男性に多い。
  ④ 食道がんの観察には,特に画像強調内視鏡(IEE)が有用である。

解答2 ②

「AI時代に求められる大腸内視鏡 -tips, tricks, & traps-」
静岡県立静岡がんセンター 今井 健一郎 氏

設問1 大腸がん死亡を減らすもっとも効果的な方法はどれか?
  ① ESD
  ② 生活習慣の改善
  ③ 大腸がん検診

解答1 ③

設問2 大腸内視鏡の精度に影響するのはどれか?
  ① 腸管洗浄
  ② 観察技術
  ③ 抜去時間

解答2 ①,②,③

設問3 ポリープ発見向上に役立つのはどれか?
  ① NBI
  ② 2回観察
  ③ AI

解答3 ①,②,③

第337回 京都整形外科医会学術講演会  とき:2月26日(土)  ところ:京都リサーチパーク+WEB配信

「リハビリテーション医学・医療の進歩と近未来」
京都府立医科大学大学院医学研究科リハビリテーション医学 教授 三上 靖夫 氏

設問1 長期臥床はどのような弊害を招くか?

解答1 ・運動器障害(筋量・筋力の低下,骨量の低下,関節拘縮など)
    ・呼吸・循環機能低下(換気量の低下,血圧低下,貧血,心筋菲薄化,下肢静脈血栓症など)
    ・摂食嚥下障害(誤嚥性肺炎など)
    ・消化管機能障害(逆流性食道炎,便秘など)
    ・精神障害(うつ状態,せん妄など)
    ※不動による合併症(廃用症候群)

設問2 痙縮に対し行われている治療法は?

解答2 保存療法 薬物療法(内服薬)
         ボツリヌス療法
         神経ブロック(フェノール,アルコール)
         ITB(IntraThecal Baclofen)療法

    手術療法 整形外科的選択的痙性コントロール手術
         (OSSCS:Orthopaedic Selective Spasticity-control Surgery)
         選択的末梢神経縮小術,後根切除術

「未来の整形外科医療とiPS細胞」
京都大学ウイルス・再生医科学研究所組織再生応用分野 教授/京都大学iPS細胞研究所分化誘導研究分野 教授 
戸口田 淳也 氏

設問1 iPS細胞とはどのような細胞か?

解答1 皮膚細胞や血球細胞などに遺伝子を入れて作製した細胞で,無限に増殖でき,すべての細胞に分化できる細胞。

設問2 iPS細胞はどんな医療に応用できるか?

解答2 iPS細胞由来の細胞を用いて,細胞移植による再生医療,治療薬を探す創薬への応用,そして免疫力を強化した細胞を用いたがん治療に応用されている。

2022年5月15日号TOP