2022年5月15日号
今般,厚労省より,薬機法施行規則の一部を改正する省令の施行について,オンライン服薬指導に関する通知が発出されました。
今回の通知は,薬機法施行規則の一部を改正する省令が3月31日に公布・施行されたことを踏まえ,整備されたオンライン服薬指導の内容等について周知するものです。
また,当該通知「(4)⑨ 処方箋」に関連し,「オンライン服薬指導における処方箋の取扱いについて」が発出されました。
その中で,医療機関における処方箋の取り扱いについては,患者が,薬局におけるオンライン服薬指導を希望する場合は,処方箋の備考欄に「オンライン服薬指導希望」と記載し,患者が希望する薬局にファクシミリ,メール等により処方箋情報を送付すること等が示されています。
▷薬機法施行規則の一部を改正する省令の施行について(オンライン服薬指導関係)(抜粋)
第1 改正の趣旨
薬機法等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号。以下「令和元年改正法」という。)第1条による薬機法の改正により,薬機法第9条の4において,薬剤を販売又は授与する際の薬剤師による服薬指導について,直接の対面によるものに加え,「映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法その他の方法により薬剤の適正な使用を確保することが可能であると認められる方法として厚生労働省令で定めるもの」によるもの(以下「オンライン服薬指導」という。)が認められ,その具体的な要件については薬機法施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「施行規則」という。)第15条の13第2項において定めてきたところである。
他方,令和元年改正法による薬機法の改正後,「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月7日閣議決定)を踏まえ,新型コロナウイルス感染症が拡大し,医療機関の受診や薬局への来局が困難になりつつあることに鑑みた時限的・特例的な対応として,電話や情報通信機器を用いた診療や服薬指導等の取扱いについてとりまとめ,「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和2年4月10日付け医政局医事課・医薬・生活衛生局総務課事務連絡)を発出した。
今般,これまでの対応等を踏まえ,施行規則の一部を改正し,オンライン服薬指導の要件を改正することに伴い,本通知において,当該改正の趣旨,内容等についてその解釈を明確化することとする。
また,今後のオンライン診療及びオンライン服薬指導の普及や技術革新等の状況を踏まえ,オンライン服薬指導の運用について定期的に見直すことを予定している。
第2 オンライン服薬指導の内容
(1)オンライン服薬指導の実施(改正省令第15条の13第2項第1号関係)
オンライン服薬指導については,映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法であって,患者の求めに応じて,その都度薬剤師の判断と責任に基づき,行うことができるものとすること。
(2)〜(3) (略)
(4)オンライン服薬指導に関するその他の留意事項
①〜⑧ (略)
⑨ 処方箋
処方医等が処方箋を発行した際に,患者から,薬局に送付して欲しい旨の申出があった場合は,当該医療機関は,当該処方箋を当該薬局に直接送付することができること。
「オンライン服薬指導における処方箋の取扱いについて」(令和4年3月31日付け厚生労働省医薬・生活衛生局総務課,医政局医事課事務連絡)により医療機関から処方箋情報の送付を受けた薬局は,医療機関から処方箋原本を入手するまでの間は,ファクシミリ,メール等により送付された処方箋を薬剤師法第23条から第27条まで及び薬機法第49条における処方箋とみなして調剤等を行うこと。
薬局は,医療機関から処方箋原本を入手し,以前にファクシミリ,メール等で送付された処方箋情報とともに保管すること。
⑩ (略)
▷オンライン服薬指導における処方箋の取扱いについて
1.医療機関における処方箋の取扱いについて
患者が,薬局においてオンライン服薬指導を希望する場合は,処方箋の備考欄に「オンライン服薬指導希望」と記載し,当該患者の同意を得て,医療機関から患者が希望する薬局にファクシミリ,メール等により処方箋情報を送付すること。その際,医師はカルテに送付先の薬局を記載すること。また,医療機関は,対面診療及びオンライン診療のいずれの場合にも患者に処方箋原本を渡さずに,処方箋情報を送付した薬局に当該処方箋原本を送付すること。
2.薬局における処方箋の取扱いについて
医療機関から処方箋情報の送付を受けた薬局は,医療機関から処方箋原本を入手するまでの間は,ファクシミリ,メール等により送付された処方箋を薬剤師法(昭和35年法律第146号)第23条から第27条まで及び医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第49条における処方箋とみなして調剤等を行うこと。
薬局は,医療機関から処方箋原本を入手し,以前にファクシミリ,メール等で送付された処方箋情報とともに保管すること。