保険医療部通信(第358報) – 令和4年4月診療報酬改定について

令和4年4月診療報酬改定に関する「Q&A」(その4)

◇厚生労働省疑義解釈資料(その7・8/4月28日・5月13日付)

〔サーベイランス強化加算(外来感染対策向上加算,感染対策向上加算)〕

Q1 「A000」初診料の注13,「A001」再診料の注17及び「A234-2」感染対策向上加算の注4に規定するサーベイランス強化加算並びに「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準における「院内感染対策サーベイランス(JANIS),感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)等,地域や全国のサーベイランスに参加していること」について,
 ① 「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問20における「JANISの検査部門と同等のサーベイランス」とは,具体的にはどのようなものを指すのか。
 ② 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)に基づく感染症発生動向調査は該当するか。
 ③ 地域において感染症等に係る情報交換を行うことを目的としたネットワークは該当するか。
 ④ 参加医療機関において実施される全ての細菌検査の各種検体ではなく,特定の臓器や部位等の感染症に限定して,細菌の分離頻度,その抗菌薬感受性や抗菌薬の使用状況等に係る調査が実施されているものは該当するか。
 ⑤ サーベイランス強化加算について,新たにJANIS又はJ-SIPHEに参加する場合,どの時点から当該要件を満たすものとしてよいか。

A1 それぞれ以下のとおり。
 ① 例えば,細菌検査により各種検体から検出される主要な細菌の分離頻度,その抗菌薬感受性や抗菌薬の使用状況を継続的に収集・解析し,医療機関における主要菌種・主要な薬剤耐性菌の分離状況や抗菌薬使用量を明らかにするための薬剤耐性に関連する調査等を含むものを指す。
 ② 該当しない。
 ③ 参加している各医療機関において細菌の分離頻度,その抗菌薬感受性や抗菌薬の使用状況等に係る調査が実施されておらず,単に感染症等に係る情報交換を行っている場合は,該当しない。
 ④ 特定の臓器や部位等の感染症に限定して調査が実施されている場合は,該当しない。
 ⑤ サーベイランス強化加算については,医療機関が新たにJANIS又はJ-SIPHEに参加する場合,令和5年3月31日までの間に限り,JANIS又はJ-SIPHEの参加申込書を窓口に提出した時点から当該要件を満たすものとして差し支えない。この場合,サーベイランス強化加算の施設基準の届出を行う際に,当該参加申込書の写しを添付すること。
 なお,参加医療機関から脱退した場合は,速やかにサーベイランス強化加算の届出を取り下げること。

〔電子的保健医療情報活用加算〕

Q2 「A000」初診料の注14に規定する電子的保健医療情報活用加算について,電子資格確認を行った結果,患者の診療情報等が存在しなかった場合は,ただし書の「当該患者に係る診療情報等の取得が困難な場合」に該当すると考えてよいか。

A2 よい。

〔術後疼痛管理チーム加算〕

Q3 「A242-2」術後疼痛管理チーム加算の施設基準において求める薬剤師及び臨床工学技士の「術後疼痛管理に係る所定の研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A3 現時点では,日本麻酔科学会「術後疼痛管理研修」が該当する。
 なお,令和4年3月31日までに,日本麻酔科学会が定める従前のカリキュラムにおいて研修を修了し,修了証等が発行されている者については,次期更新までは,術後疼痛管理に係る所定の研修を修了した者と判断して差し支えない。

Q4 「A242-2」術後疼痛管理チーム加算の施設基準における「専任の看護師は,年間200症例以上の麻酔管理を行っている医療機関において,手術室又は周術期管理センター等の勤務経験を2年以上有するものであること」について,麻酔管理を行っている症例とは,「マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術を行った患者」に係るものを指すのか。

A4 そのとおり。

Q5 「A242-2」術後疼痛管理チーム加算について,「手術後に継続した硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入,神経ブロックにおける麻酔剤の持続的注入又は麻薬を静脈内注射により投与しているもの(覚醒下のものに限る。)に対して,術後疼痛管理チームが必要な疼痛管理を行った場合に,手術日の翌日から起算して3日を限度として,所定点数に加算する」こととされているが,硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入等が3日未満で終了した患者についても,要件を満たせば3日を限度として算定可能か。

A5 そのとおり。

〔特定集中治療室管理料〕

Q6 「A301」特定集中治療室管理料について,「特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度Ⅰ又はⅡのいずれを用いて評価を行うかは,特定入院料の届出時に併せて届け出ること。(中略)ただし,評価方法のみの変更による新たな評価方法への切り替えは4月又は10月までに届け出ること。」とされているが,評価方法のみの変更を行う場合,具体的にはいつまでに届け出ればよいか。

A6 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度と同様に,評価方法のみの変更による新たな評価方法への切り替えは4月又は10月(以下「切替月」という。)のみとし,切替月の10日までに届け出ること。

〔回復期リハビリテーション病棟入院料〕

Q7 「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準において,「公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院」とあるが,公益財団法人日本医療機能評価機構による医療機能評価において,副機能としてリハビリテーション病院の評価を受けている病院についても該当するか。

A7 該当しない。

〔地域包括ケア病棟入院料〕

Q8 「A308-3」地域包括ケア病棟入院料の注1に規定する「別に厚生労働大臣が定める場合」については,
 ・「当該病棟又は病室において,入院患者に占める,自宅等から入院したものの割合が六割以上であること。」
 ・「当該病棟又は病室における自宅等からの緊急の入院患者の受入れ人数が,前三月間において三十人以上であること。」
 ・「救急医療を行うにつき必要な体制が整備されていること。」
のいずれかに該当する場合であることとされているが,このうち「救急医療を行うにつき必要な体制が整備されていること。」は,具体的にはどのような医療機関が該当するのか。

A8 医療法(昭和23年法律第205号)第30条の4の規定に基づき都道府県が作成する医療計画に記載されている第二次救急医療機関又は救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院が該当する。

〔精神科救急医療体制加算〕

Q9 「A311」精神科救急急性期医療入院料の注6に規定する精神科救急医療体制加算の施設基準のうち,「当該病棟における病床数が百二十床以下であること」については,当該基準に係る経過措置により,令和4年3月31日において現に旧医科点数表の精神科救急入院料に係る届出を行っている病棟については,同年9月30日までの間に限り,当該病棟における病床数が120床を超える場合であっても,当該基準に該当するものとみなされるのか。

A9 そのとおり。

〔看護補助体制充実加算〕

Q10 看護補助体制充実加算の施設基準において,「当該病棟の看護師長等が所定の研修を修了していること」とされているが,当該加算を算定する各病棟の看護師長等がそれぞれ所定の研修を修了する必要があるか。

A10 そのとおり。

Q11
 ・「A101」療養病棟入院基本料の注12に掲げる夜間看護加算(①)及び看護補助体制充実加算(②)
 ・「A106」障害者施設等入院基本料の注9に掲げる看護補助加算(①)及び看護補助体制充実加算(②)
 ・「A308-3」地域包括ケア病棟入院料の注4に掲げる看護補助者配置加算(①)及び看護補助体制充実加算(②)
について,それぞれの①及び②を同時に算定可能か。

A11 いずれも併算定不可。

〔早期栄養介入管理加算〕

Q12 「A300」救命救急入院料の注9,「A301」特定集中治療室管理料の注5,「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料の注4,「A301-3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料の注4及び「A301-4」小児特定集中治療室管理料の注4に規定する早期栄養介入管理加算について,「入室した日から起算して7日を限度として」算定できることとされているが,
 ① 一連の入院期間中に,早期栄養介入管理加算を算定できる2以上の治療室に患者が入院した場合,当該加算の算定上限日数はどのように考えればよいか。
 ② 早期栄養介入管理加算を算定できる治療室に入院し,退院した後,入院期間が
通算される再入院において,再度当該加算を算定できる治療室に入院した場合,当該加算の算定上限日数はどのように考えればよいか。
 ③ 入室後早期から経腸栄養を開始した場合は,開始日以降は400点を算定できることとされているが,治療室を変更した場合はどのように考えればよいか。

A12 それぞれ以下のとおり。
 ① それぞれの治療室における早期栄養介入管理加算の算定日数を合算した日数が7日を超えないものとすること。
 ② 初回の入院期間中の早期栄養介入管理加算の算定日数と,再入院時の当該加算の算定日数を合算した日数が7日を超えないものとすること。
 ③ 最初に当該加算を算定できる治療室に入室した時間を起点として,経腸栄養の開始時間を判断すること。なお,入室後48時間以内に経腸栄養を開始した患者が,早期栄養介入管理加算を算定できる他の治療室に入院した場合は,400点を継続して算定可能である。

〔平均在院日数〕

Q13 「平均在院日数の計算対象としない患者」に「短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った患者」が追加されたが,平均在院日数の算定において,具体的にはどのような取扱いとなるのか。

A13 施設基準通知別添6の別紙4「平均在院日数の算定方法」に示す算定式において,
 ・分子の「① 当該病棟における直近3か月間の在院患者延日数」から,当該患者に対して短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った日を除き,
 ・分母の「② (当該病棟における当該3か月間の新入棟患者数+当該病棟における当該3か月間の新退棟患者数)/2)」の新入棟患者数及び新退棟患者数から,当該患者を除く
こととして算定する。

Q14 「平均在院日数の計算対象としない患者」のうち,
 ・短期滞在手術等基本料1及び3(入院した日から起算して5日までの期間に限る。)を算定している患者
 ・DPC対象病院において,短期滞在手術等基本料3を算定する手術,検査又は放射線治療を行った患者(入院した日から起算して5日までに退院した患者に限る。)
 ・短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った患者
について,短期滞在手術等基本料1と短期滞在手術等基本料3のいずれも算定できる手術等を実施した患者であって,入院した日から起算して6日目以降も継続して入院しているものについては,どのような取扱いとなるのか。

A14 入院した日から起算して5日までの期間においては,「短期滞在手術等基本料3を算定している患者」又は「DPC対象病院において,短期滞在手術等基本料3を算定する手術,検査又は放射線治療を行った患者」として平均在院日数の計算対象から除外し,6日目以降においては,平均在院日数の計算対象に含むこととし,入院日から起算した日数を含めて平均在院日数を計算すること。

〔一般病棟用の重症度,医療・看護必要度〕

Q15 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度の評価対象から除外する患者に「短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った患者」が追加されたが,具体的にはどのような取扱いとなるのか。

A15 当該患者に対して短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った日に限り,当該患者を重症度,医療・看護必要度の評価対象から除くこと。

Q16 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度の評価対象から除外する患者のうち,
 ・短期滞在手術等基本料を算定する患者
 ・DPC対象病院において,短期滞在手術等基本料3を算定する手術,検査又は放射線治療を行った患者(入院した日から起算して5日までに退院した患者に限る。)
 ・短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った患者
について,短期滞在手術等基本料1と短期滞在手術等基本料3のいずれも算定できる手術等を実施した患者であって,入院した日から起算して6日目以降も継続して入院しているものについては,どのような取扱いとなるのか。

A16 入院した日から起算して5日までの期間においては,「短期滞在手術等基本料3を算定している患者」又は「DPC対象病院において,短期滞在手術等基本料3を算定する手術,検査又は放射線治療を行った患者」として重症度,医療・看護必要度の評価対象から除外し,6日目以降においては評価対象に含むこと。

〔回復期リハビリテーション病棟入院料,特定機能病院リハビリテーション病棟入院料〕

Q17 日常生活機能評価による測定対象から除外する患者に「短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った患者」が追加されたが,具体的にはどのような取扱いとなるのか。

A17 入院期間中に短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った患者について,測定対象から除くこと。

Q18 日常生活機能評価による測定対象から除外する患者のうち,
 ・短期滞在手術等基本料を算定する患者
 ・DPC対象病院において,短期滞在手術等基本料3を算定する手術,検査又は放射線治療を行った患者(入院した日から起算して5日までに退院した患者に限る。)
 ・短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査を行った患者
について,短期滞在手術等基本料1と短期滞在手術等基本料3のいずれも算定できる手術等を実施した患者であって,入院した日から起算して6日目以降も継続して入院しているものについては,どのような取扱いとなるのか。

A18 入院した日から起算して5日までの期間においては,「短期滞在手術等基本料3を算定している患者」又は「DPC対象病院において,短期滞在手術等基本料3を算定する手術,検査又は放射線治療を行った患者」として日常生活機能評価による測定対象から除外し,6日目以降においては測定対象に含むこと。

〔短期滞在手術等基本料〕

Q19 「A400」の「1」短期滞在手術等基本料1の「イ 麻酔を伴う手術を行った場合」における「麻酔」とは,具体的には何を指すのか。

A19 医科点数表第2章第11部に掲げる麻酔のうち,「L009」麻酔管理料(Ⅰ)及び「L010」麻酔管理料(Ⅱ)の対象となる
 ・「L002」硬膜外麻酔
 ・「L004」脊髄麻酔
 ・「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔
を指す。

Q20 「A400」の「1」短期滞在手術等基本料1の施設基準における「短期滞在手術等基本料に係る手術(全身麻酔を伴うものに限る。)が行われる日において,麻酔科医が勤務していること」について,「全身麻酔」とは,具体的には何を指すのか。

A20 医科点数表第2章11部に掲げる麻酔のうち,「L007」開放点滴式全身麻酔及び「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を指す。

〔二次性骨折予防継続管理料〕

Q21 「B001」の「34」の「ロ」二次性骨折予防継続管理料2の施設基準における「骨粗鬆症の診療を担当する専任の常勤医師」について,「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料の注4に掲げる体制強化加算1の施設基準における「当該病棟に専従の常勤医師」と兼任することは可能か。

A21 不可。

〔透析時運動指導等加算〕

Q22 「J038」人工腎臓の注14に規定する透析時運動指導等加算について,「透析患者の運動指導に係る研修を受講した医師,理学療法士,作業療法士又は医師に具体的指示を受けた当該研修を受講した看護師」とあるが,「透析患者の運動指導に係る研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A22 現時点では,日本腎臓リハビリテーション学会が開催する「腎臓リハビリテーションに関する研修」が該当する。

〔周術期栄養管理実施加算〕

Q23 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,術後一時的にICU等の治療室に入室した患者に対して,当該加算の施設基準に係る専任の管理栄養士以外の管理栄養士が栄養管理を実施した場合であっても算定可能か。

A23 当該加算の施設基準を満たして届出を行っている管理栄養士が栄養管理を実施した場合のみ算定可能。そのため,ICU等の治療室を担当している管理栄養士が栄養管理を実施した場合,当該管理栄養士について施設基準の届出を行っていなければ,当該加算は算定不可。

〔緑内障手術〕

Q24 「K268」緑内障手術の「2」流出路再建術の「イ」眼内法及び「7」濾過胞再建術(needle法)の施設基準に係る届出について,病院だけでなく診療所でも届出可能か。

A24 届出可能。なお,診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和4年厚生労働省告示第54号)及び特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和4年厚生労働省告示第56号)については,官報掲載事項の訂正が行われる予定である。

Q25 「K268」緑内障手術の「7」濾過胞再建術(needle法)の施設基準に係る届出において,施設基準通知別添2の様式52はどのように取り扱えばよいか。

A25 緑内障手術の濾過胞再建術(needle法)について,様式52の提出は不要である。なお,「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和4年3月4日保医発0304第3号)については訂正が行われる予定である。

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