第4回 地区庶務担当理事連絡協議会(令和4年7月27日開催)

△報告ならびに協議事項

1.最近の中央情勢について
 6月下旬から7月中旬にかけての社会・医療保険状況について,◆厚生労働省が発表した2021年社会医療診療行為別統計で,新型コロナウイルス感染拡大にともなう時限的・特例的に認められている電話・オンラインでの初・再診に対する評価の算定回数が,新型コロナ感染拡大の第1波中だった20年と比べて大幅に減少した一方で,感染拡大の影響で20年に大幅に減少した小児科の初・再診料は揺り戻しで大きく改善した。◆松本吉郎日医会長は,4月から導入されたリフィル処方箋について,リフィル導入によって,薬剤師が担っている役割や,医師の処方権などが大きく変わることはないとの見解を示した。◆松本吉郎日医会長は,政府・与党内で検討が本格化する2023年度薬価改定への対応について,その薬価引下げ財源の使途に言及し,薬価と診療報酬は密接な関係にあるとした上で,過去の新型コロナウイルス感染症に対する診療報酬上の特例的対応を例に,今後,必要な方策について与党議員ら関係者と検討する姿勢を示した。◆中医協の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」は,今年10月からの看護の処遇改善について新たなデータ分析を踏まえた議論を行い,制度設計に当たっては,基本診療料の入院料に対し,細分化した点数設定を行う方法を支持する意見が大勢を占めた。◆厚生労働省は「第8次医療計画等に関する検討会」で「かかりつけ医機能」を巡る本格的な議論をスタートさせ,日医はかかりつけ医機能について,平時と有事で区別すべきだとし,平時は現状でも発揮されていると主張した。―といった話題を中心に説明した。

~質疑応答~
◇地区より,「かかりつけ医」とは,患者との信頼関係のもと,いつでも気楽に診てもらえるという状態を示す言葉にすぎず,制度化がなじむものではないと指摘。今回の報道内容からは,すでに日医が妥協し,かかりつけ医の制度化に係る議論に応じているような印象を受けるとし,日医のスタンスについて質問が出された。
 府医より,今回のコロナ禍で,普段からかかりつけ医を持たず,あまり医療にかからない若年層が,どこで受診すればいいかわからない,あるいは受診できる医療機関を見つけられず困惑したという事象を逆手にとられ,財務省等がかかりつけ医の制度化を図ろうとしたものであると説明。日医が妥協していることは一切なく,もともと新型コロナ対応では,かかりつけ医に直接受診しないように進められてきたものであり,この論点は全く当てはまらないと反論していることを紹介した。また,かかりつけ医とは必ずしも1対1の関係性ではなく,様々な専門領域をもった地域の医師たちが,「面」としてかかりつけ医機能を発揮していくべきとして,日医においても本格的に議論を開始しているとした。

2.学術講演会の今後の予定について
 8・9月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。

3.京都府による新型コロナウイルス抗原定性検査キットの配布について
 新型コロナウイルス感染症の新規感染者の急増により抗原定性検査キット(以下,「検査キット」という)が不足していることから,厚労省は都道府県で検査キットを確保した上で各医療機関に配布する方針を打ち出し,これにより京都府は独自予算で検査キット「Panbio COVID-19 Antigen ラピッドテスト(アボットダイアグノスティクスメディカル株式会社製)」を40万回分確保予定であると報告し,その配布方法やスケジュール等について説明した。
 まず,診療・検査医療機関に対し,第1弾として7月28日に,第2弾として8月上旬にそれぞれ1医療機関あたり50回分の検査キットが無償で配布される予定であるとした。
 また,京都府は新たな取組みとして,医療機関の負担軽減を目的に,医療機関での検査が難しい場合や,数をこなせないという場合,受付等で患者に検査キットを渡し,自宅等で患者本人が検査を行って,陽性の場合はWEB登録する仕組みを運用予定であると説明した。今後,府医としては検査キットの配分について京都府と調整していく予定であると付け加えた。
 最後に,検査キットの配布を希望する場合は診療・検査医療機関として申請するよう呼びかけ,協力を求めた。

2022年9月15日号TOP