2022年10月15日号
8月31日付厚生労働省告示第264号をもって材料価格基準の一部が改正されるとともに,同日付保医発0831第4号厚生労働省保険局医療課長通知をもって「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日保医発0304第1号)等の一部が改正され,9月1日から適用されましたので,抜粋してお知らせします。
今回の改正は,医療機器が区分B2,C1およびC2として保険適用されたことによるものです。
記
▷新たに機能区分及び保険償還価格が設定された医療機器等(9月1日適用)
1.人工股関節寛骨臼コンポーネント
【販売名】 OR3O Dual Mobilityヒップシステム(スミス・アンド・ネフュー株式会社)
〔決定区分〕 区分B2(個別評価・既存機能区分・変更あり)
〔該当する機能区分〕
057 人工股関節用材料 (1)骨盤側材料 ④ライナー・デュアルモビリティ対応型
〔主な使用目的〕
本品は,整形外科において全人工股関節置換術に用いる寛骨臼コンポーネントである。寛骨臼カップの内側に取り付ける寛骨臼ライナー及び寛骨臼ライナーと摺動面を形成する寛骨臼インサートからなり,それらを接続して大腿骨コンポーネントと組み合わせて摺動させることで,関節動の補助をなす。
<関連する通知の改正>
「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
2.全人工股関節
【販売名】 4-U CLS人工股関節(帝人ナカシマメディカル株式会社)
〔決定区分〕 区分B2(個別評価・既存機能区分・変更あり)
〔該当する機能区分〕
057 人工股関節用材料 (2)大腿骨側材料 1大腿骨ステム(直接固定型) イ特殊型
〔主な使用目的〕
機能不全に陥った股関節と置換することにより,股関節の代替又は再建として機能する。
<関連する通知の改正>
「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
3.人工関節大腿骨コンポーネント
【販売名】 PULCHRA-FIXステム(Adler Ortho株式会社)
〔決定区分〕 区分B2(個別評価・既存機能区分・変更あり)
〔該当する機能区分〕
057 人工股関節用材料 (2)大腿骨側材料 ①大腿骨ステム(直接固定型) イ特殊型
〔主な使用目的〕
本品は,人工股関節置換術(再置換術を含む)の適応症例に対し,大腿骨骨頭を置換するための人工関節であり,機能不全に陥った股関節と置換することにより,股関節の代替として機能する。
<関連する通知の改正>
※上記2参照
4.血管内塞栓促進用補綴材
【販売名】 ヒストアクリル(ビー・ブラウンエースクラップ株式会社)
〔決定区分〕 区分C1(新機能)
〔保険償還価格〕 66,300円
〔決定機能区分〕 145 血管内塞栓促進用補綴材 (3)血管内塞栓材 ④液体塞栓材
〔主な使用目的〕
本品は,既存治療が奏功しない,あるいは既存治療では十分に治療目的を達成することが困難な以下を目的とした血管塞栓術において,直接穿刺下又は経カテーテル的,若しくは経内視鏡的に使用する。
<関連する告示・通知の改正>
(1)「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和4年3月4日付保医発0304第9号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(2)「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
5.ヒト羊膜使用組織治癒促進用材料
【販売名】 エピフィックス(EpiFix)(EPJメディカルサービス株式会社)
〔決定区分〕 区分C1(新機能)
〔保険償還価格〕 1cm2当たり35,100円
〔決定機能区分〕 218 ヒト羊膜使用創傷被覆材
〔主な使用目的〕
本品は,既存治療に奏効しない難治性潰瘍に使用し,創傷治癒を促進することを目的とする。
<関連する告示・通知の改正>
(1) 「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和4年3月4日付保医発0304第9号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(2) 「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
6.経中隔用針
【販売名】 AccuSafe経中隔穿刺ワイヤ(ジェイソル・メディカル株式会社)
〔決定区分〕 区分C1(新機能)
〔保険償還価格〕 ① 35,400円
② 2,760円
〔決定機能区分〕 ① 177 心房中隔穿刺針 (2)ガイドワイヤー型
② 177 心房中隔穿刺針 (3)カニューレ
〔主な使用目的〕
本品は,経心房中隔壁的にカテーテルを右房より左房に挿入する場合に使用する心房中隔壁穿刺用の穿刺針である。(必要に応じ,専用のカニューラを使用する)穿刺後,先端はJ型になるため,ガイドワイヤとして使用できる。
<関連する告示・通知の改正>
(1) 「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和4年3月4日付保医発0304第9号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(2) 「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
7.アテローム切除アブレーション式血管形成術用カテーテル
【販売名】 ジェットストリーム アテレクトミー システム(ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社)
〔決定区分〕 区分C1(新機能)
〔保険償還価格〕 242,000円
〔決定機能区分〕 133 血管内手術用カテーテル (22)血管形成用カテーテル ②切削吸引型
〔主な使用目的〕
本品は,浅大腿動脈及び/又は近位膝窩動脈において,重度石灰化病変を有し,薬剤塗布型バルーン治療の前拡張に使用する経皮的血管形成術用バルーンカテーテルが不通過又は拡張困難な病変(ステント内を除く。)に対し,固いアテローム塊や狭窄病変を除去することで,前拡張を容易にする目的で使用する。
<関連する告示・通知の改正>
(1) 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(2) 「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和4年3月4日付保医発0304第9号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(3) 「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
8.ラジオ波焼灼システム
【販売名】 Cool-tip RFAシステムEシリーズ(コヴィディエンジャパン株式会社)
〔決定区分〕 区分C2(新機能・新技術)
〔保険償還価格〕
特定保険医療材料としては設定せず,新規技術料にて評価する。
○準用技術料
K697-3 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)
1 2cm以内のもの
ロ その他のもの 15,000点
2 2cmを超えるもの
ロ その他のもの 21,960点
〔主な使用目的〕
本システムは,以下のような経皮,腹腔鏡下及び開腹術,胸腔鏡下及び開胸術での組織凝固及び焼灼に使用する。
-肝腫瘍及び小径腎悪性腫瘍の一部または全体の凝固及び焼灼
-無心体双胎における無心体への血流遮断を目的とした凝固及び焼灼
-標準治療に不適・不応の以下の腫瘍に対する治療(症状緩和を含む)を目的とした凝固及び焼灼
<関連する通知の改正>
「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
9.前立腺組織用水蒸気デリバリーシステム
【販売名】 Rezumシステム(ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社)
〔決定区分〕 区分C2(新機能・新技術)
〔保険償還価格〕 388,000円
〔決定機能区分〕 217 前立腺組織用水蒸気デリバリーシステム
〔主な使用目的〕
本品は前立腺肥大症に関わる前立腺組織を減らし,症状や閉塞を緩和することを目的とする。
<関連する告示・通知の改正>
(1) 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(2) 「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和4年3月4日付保医発0304第9号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(3) 「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
10.ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート
【販売名】 サクラシー(ひろさきLI株式会社)
〔決定区分〕 区分C2(新機能・新技術)
〔保険償還価格〕 ① 7,940,000円
② 5,470,000円
〔決定機能区分〕 ① 150 ヒト自家移植組織 (5)ヒト羊膜基質使用自家培養口腔粘膜上皮 ①採取・培養キット
② 150 ヒト自家移植組織 (5)ヒト羊膜基質使用自家培養口腔粘膜上皮 ②調製・移植キット
〔主な使用目的〕
角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減
<関連する告示・通知の改正>
(1) 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(2) 「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和4年3月4日付保医発0304第9号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(3) 「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
11.自家皮膚細胞移植用キット
【販売名】 RECELL自家細胞採取・非培養細胞懸濁液作製キット(コスモテック株式会社)
〔決定区分〕 区分C2(新機能・新技術)
〔保険償還価格〕 ① 836,000円
② 897,000円
〔決定機能区分〕 ① 219 自家皮膚細胞移植用キット (1)自家皮膚細胞移植用キット・S
② 219 自家皮膚細胞移植用キット (2)自家皮膚細胞移植用キット・L
〔主な使用目的〕
本品は,患者から採取した皮膚片から非培養細胞懸濁液を作製し,急性熱傷及び採皮部を対象として創傷部の治癒促進を行うことを目的とする。なお創傷が皮下組織まで及ぶ場合は,原則として自家植皮を併せて実施すること。
<関連する告示・通知の改正>
(1) 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(2) 「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和4年3月4日付保医発0304第9号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
(3) 「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日付保医発0304第12号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)
12.高血圧症治療補助プログラム
【販売名】 CureApp HT高血圧治療補助アプリ(株式会社CureApp)
〔決定区分〕 区分C2(新機能・新技術)
〔保険償還価格〕
特定保険医療材料としては設定せず,新規技術料にて評価する。
○準用技術料
B100 禁煙治療補助システム指導管理加算 140点
C150 血糖自己測定器加算
4 月60回以上測定する場合 830点
〔主な使用目的〕
成人の本態性高血圧症の治療補助
<関連する通知の改正>
「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)の一部改正(令和4年8月31日付け保医発0831第4号)