京都大学医師会

 京都大学医師会が事務局を置く京都大学医学部附属病院では、京都府医師会・京都府立医科大学附属病院と共催で、地域医療の強化と推進を目的とした講演会を毎年実施しています。今回は、令和4年7月2日に開催した「第4回地域連携の集い」についてご紹介します。
 当日は、当院の宮本享病院長の挨拶に始まり、府医の松井道宣会長からも挨拶を頂戴しました。引続き、地域連携担当である妹尾浩副病院長を座長として、「京大病院の未来への取り組み」のテーマに沿った3つの講演を行いました。

「地域連携の集い」チラシ

  まず、「高気圧酸素治療センター」について、副センター長の陣上直人助教が講演しました。「高圧酸素治療室から高気圧酸素治療センターへ~アスリートヒーリングプランの開設を目指して~」と題し、最新型の高気圧酸素治療(HBO)装置の機能や、急性一酸化炭素中毒や突発性難聴等に対する治療実績を紹介しました。また、アスリートのスポーツ外傷に対してHBO 治療を行う「アスリートヒーリングプラン」の導入予定についても紹介がありました。
 続いて、「京大病院摂食嚥下診療センターの開設と今後の取り組み」と題して、センター長の大森孝一教授が講演を行いました。高齢化にともない摂食嚥下診療の重要性が高まっている背景も踏まえ、センターが地域へどう貢献していくかを紹介しました。また、センターの特徴として、多職種連携による摂食嚥下診療の実施により、高度嚥下障害に対する外科的手術から、術前の栄養状態評価や改善、術後のリハビリテーションまで総合的な診療を提供していること、全入院患者に対する摂食嚥下の機能評価の実施によって、摂食嚥下障害によるリスクを減らすよう取組んでいること、地域に向けた医療相談を行っていることなどが紹介されました。
 最後に「脳卒中療養支援センター」について、センター長の宮本病院長より講演がありました。急性期疾患である脳卒中診療において、高度な技術をもつ一次脳卒中センターでの初期治療から、回復期の病院への転院や自宅退院へシームレスにつなぐことの重要性について説明がありました。センターの取組みとして、患者さんを医療だけでなく介護や福祉など社会的にもサポートしていくことや、脳卒中療養相談士や介護・福祉に関わる人材の育成も行うこと、地域の中心となって、医療情報だけでなく地域全体で相談支援や説明内容の共有ができるよう連携を行っていくことが紹介されました。
 その後、京都府立医科大学附属病院の夜久均病院長、一般社団法人芝蘭会の森洋一京都支部長より挨拶を賜り、盛況のうちに終了いたしました。
 昨年に引続きオンラインでの開催となりましたが、院外158 の医療機関から176 名に参加いただき、当院からも100 名が参加する大きな会となりました。本イベントを通して、地域で活躍する医師およびメディカルスタッフの皆さまへの情報提供や、府内における地域医療連携の活性化へと繋げていければと考えております。

松井府医会長
本病院長
夜久病院長

京都大学医師会

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京都大学医学部附属病院 総務課 総務掛
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会 長:宮本 享
会員数:73 人(2022.10 現在)

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