地区だより 綾部医師会 副会長 米谷 博夫

綾部市は京都府北部に位置し人口減少が課題の小都市で現在32,000 人くらいです。

医師会規模も新規開業が20 年以上無く21診療所(サテライト含む)、3病院で地域医療を担っている状況ですが幸いに診療科的バランス、病院機能の分担、病診連携において今はバランスよく機能しており市外からの視察が増えているとの話を聞きます。

しかし15 年先を考えると困難に転じると思われますがその頃の綾部市人口は約25,000 人の予想です。

当然医療体制も規模に合ったものになっていくのは仕方がないことで開業医はさらなる総合医のスキルを求められそうです。

話は変わりますが市内の街並みが大きく変化しつつあります、消費税増税を期に駆け込み需要と思われる古い家屋を壊してハウスメーカーの新築があちこちで目立つようになりました。

子どもの頃から見慣れた綾部の風景が変わっていきます。

その象徴ともいえる巨大な建築物である市民センターが老朽化で取り壊されることになりました。

JR 山陰線からも青色に塗られた綾部大橋とともに見える淡い黄緑色の巨大な建物です。

すでに立ち入り禁止になり、新市民センターが綾部駅北口に2019 年10 月に竣工しています。

1963年に開館した旧市民センターは当時資材不足のおり宮津市栗田の旧海軍水上航空機基地格納庫を移築して完成させたもので綾部の文化・スポーツ・市民活動のシンボル的な存在となってきましたが2020 年春頃には姿を消すことになりそうです。

もう一つ閉館の建物は綾部唯一のシティーホテル“京綾部ホテル”です。

これもJR 山陰線から見える由良川対岸の山の中腹に位置し秋の紅葉の頃には風情が有り、夜には灯されたあかりで活気を与えてくれましたが、2019 年5月営業終了となってしまいました。

夜も明かりが無くなり真っ暗な山となりさみしい限りです。

ホテルは1991 年“綾部パークヒルホテル”として開業し、2001年経営難で民事再生法申請を経て“ホテル綾部”として2002 年再開、2009 年再度収益悪化で経営権譲渡が行われ2010 年“京綾部ホテル”として再々スタートしました。

2012 年には隣接して温泉施設大家族の湯もオープンし客室22、最大200 人の宴会場で市内の各企業、団体、自治体の連絡会議、懇親会等々に利用されてきました。

当医師会においても定期的な学術研修会や北部の医師会会議等に無くてはならない存在でしたが閉館により困った状況になっています。

会議だけなら他施設で何とかなるのですがその後の懇親会が難しくなっています。

料理屋さんのケータリングもある程度の制限を受けるようで今年度はストップしたままです。

やはり観光資源が少ない地方小都市でのシティーホテル経営は成り立たないのか、各方面からの心配要望がある中、持ち上がったのが綾部駅北再開発複合施設構想です。

府北部産業振興中核拠点となる第1期計画に続く第2期計画として新図書館・ホール機能・ホテル機能を備えた複合施設の構想が市議会で示されこれが現実となることを願うばかりです。

取り壊し予定の旧市民センター
閉館した京綾部ホテル
新綾部市民センター

【 綾部医師会 】

〒623-0011
京都府綾部市青野町東馬場下15-6
綾部市保健福祉センター内
TEL:0773-43-0359 FAX:0773-43-0359
e-mail:ayabeishikai@aioros.ocn.ne.jp
会 長:大槻 匠
会員数:44 人(2020.1現在)

2020年2月1日号TOP