2026年10月15日号
令和8年度近医連定時委員総会が9月6日(日),京都府医主管のもと,ホテルグランヴィア京都で開催され,近畿各府県医から224名が参加,府医からは役・職員50名が出席した。
午前中に行われた総会では,委員長や来賓等からの挨拶の後,令和7年度会務報告が行われるとともに,議事では令和7年度決算,令和8年度事業計画・予算がそれぞれ可決・承認された。
その後,決議案が提出され,採択された(全文は次頁)ほか,併せて常任委員会も開催された。
午後から開催された分科会では,第1分科会「医療保険」,第2分科会「地域医療」,第3分科会「勤務医」に分かれて各府県医で議論を交わした(分科会の詳細は次号掲載予定)。
分科会終了後は,佛教大学名誉教授・世界鬼学会会長の八木 透氏より「鬼・疫病・異人-排除と差別の伝承世界」と題して,特別講演が行われた。
また,来年は大阪府医が主務地となり,令和9年9月5日(日)にザ・リッツ・カールトン大阪で開催される予定である。
決議
我が国の社会保障制度は,世界に誇れる国民皆保険制度を根幹としており,国民相互の支え合いの精神と先人たちの不断の努力によって築かれてきた社会基盤である。
しかしながら,急速な少子高齢化,医療技術の革新,物価高騰,地域医療を担う人材不足など,医療を取り巻く環境は大きく変化しており,社会保障の給付と負担の議論は,避けて通れない重要な課題である。一方で,現役世代の保険料負担軽減に向けて,一部保険外療養の導入によるOTC類似薬の保険給付の見直し,高齢者医療費窓口負担の原則3割への引き上げ,社会保障負担率の目標設定等の議論が国民に十分説明されないままに進められている。政府は,中長期的な展望を踏まえた制度の現状,財政状況,改革の必要性について丁寧かつわかりやすく説明し,国民の理解を得る責務を果たさなければならない。
我々は現在の給付水準を維持する必要があると考えている。そのためには世代や地域の立場を超えた国民的議論を展開し,国民自らが我が国の社会保障の在り方を考える機会を確保することが不可欠である。
今後,医療・介護の複合ニーズを抱えた高齢者を支えていくためには,医療機関の役割分担を明確化し,連携と機能分化を進めていかなければならない。なお,生産年齢人口が激減する中で国民の生活を支え地域完結型の医療提供体制を整備するには,診療行為に対する材料や設備などのコストと人件費が正当に評価されるべきであり,診療報酬の在り方についても見直す時期に来ている。
将来にわたって国民皆保険制度と医療提供体制を守るために,以下を強く要望する。
記
一,国民皆保険制度を将来にわたり堅持するため,必要かつ適切な医療は保険診療により確保するとともに,世代内・世代間の公平性に配慮しつつ,給付と負担の在り方については,政府からの丁寧な制度説明と国民的議論の展開を求める。
一,物価高騰・賃金上昇への対応と,今後の医療提供体制のさらなる発展に寄与する診療報酬の在り方についての再考を求める。
以上,決議する。
令和8年9月6日
近畿医師会連合定時委員総会