2026年8月1日号
松本 順子
梅雨の晴れ間,6月25日(木)の午後2時より京都ホテルオークラに於いて京都府医師婦人会の講演会が開催され,多数の参加者が安東先生の依存症に関する講演に耳を傾けました。精神科の中でも依存症を診る医院が非常に少なく,京都市内は勿論,京都北部や滋賀県,大阪枚方市などから患者さんが来られ相談にのる日々だそうです。
先ず,皆さんは何に依存していますか?と問われ,甘いもの?スマホ?押し活?旅行?と自問自答してみました。先生の趣味のランニングはアスリートそのもので,家族の方には依存症じゃない?と言われているそうです。夜中に100km山道を走って帰ってくるとかマウント富士100マイル(富士山の周り160kmの山道を走るトレイルランニング)大阪城トライアスロンでお濠を泳ぐ,鯖街道ウルトラマラソン80kmでは2連覇を達成されたとのこと,驚きです。
さて,依存症とは一言でいえば「辞めたくても辞められないコントロール障害」とのこと。公式に依存症と認められているものは,アルコール,薬物,ギャンブル,ゲーム・インターネット,市販薬,処方薬依存ですが,買い物や占いなどやめられない人など,多種多様のようです。単なる趣味の範囲なのか?どこからが病気なのか?先生の所では誰かが困っていれば治療の対象としているそうです。
治療の難しさは,依存症に関しては「薬」が無いことや本人が依存症を否認なさるので治療に向き合ってもらえないことだそうです。自分の不安や苦しさを楽になるためにアルコールやギャンブル依存症になる方も多いそうで,心の中にアプローチすることが治療の第1歩です。
ADHD(注意欠如多動性障害)やASD(自閉スペクトラム症)やACEs(幼少期の逆境体験)と依存症の関係,具体例を挙げて説明されました(注:これらの障害があるから依存症になるわけではありません)。自身の子育てを思い出し,どういった時にほめるのか?叱るのか?特に私ども親にとって考えさせられる問題も多いです。教育虐待という話も出ました。良かれと思って厳しくする,期待をかけすぎる,兄弟や他の子と比べてしまう,結果だけを評価してしまうなどなど。自身を振り返ると反省することばかりです。
依存症の方に対処する必要な力は Negative・Capability(答えの無さに耐える力)という。①すぐに,解決しない,②すぐに,答えを出さない,③わからないまま,寄り添う。
親としては「迷う子どもを責めずに寄り添う力を養う」ことが大切だと伺い,さらに反省するばかり。平安の祈りの言葉も素晴らしいと思いました。
神様,私にお与えください。
・変えられないものを受け入れられる「落ち着きを」
・変えられるものを変える「勇気を」
・両者を見分ける「賢さを」
最後におっしゃったランニングから学んだことも感慨深い言葉でした。
「休みながら,でいい」,「歩いても,いい」,「続ければ,いい」
依存症という,いつ誰でも踏み込むかもしれない可能性のある,「病気」に対してたくさんの具体例を交えながらお話しいただきました。お話を伺い,人生ゆっくり過ごしていきたいとしみじみ思いました。